ハンガリーの税金制度の概要
ハンガリーは、欧州連合(EU)加盟国の中でも法人税率が非常に低く、投資先としても注目されています。一方で、消費税(付加価値税)はEU内で最も高い水準です。以下、主な税金の種類と特徴をまとめます。
法人税(Corporate Tax)
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標準税率は一律9%で、EU内で最も低い水準です。
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ただし、売上高が7億5,000万ユーロ以上の多国籍企業や大企業には、グローバル・ミニマム課税制度(GloBEルール)により、2024年から最低15%の法人税率が適用されます。
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法人税以外に、最大2%の地方事業税、0.3%のイノベーション拠出金なども企業に課されます。
個人所得税(Personal Income Tax)
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税率は一律15%。
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25歳未満の労働者や、4人以上の子を持つ女性、30歳未満で出産した女性などには免除措置があります。
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扶養家族控除や、社会保険料(健康・失業保険8.5%、年金負担金10%)も個人の負担に含まれます。
付加価値税(VAT/消費税)
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標準税率は27%で、ほとんどの商品やサービスに適用されます。
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軽減税率18%(乳製品、穀物、宿泊施設など)、5%(住宅、医薬品、新聞、家禽、卵、牛乳など)が一部品目に適用されます。
物品税(Excise Tax)
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酒類、たばこ、自動車燃料など特定の商品に課税されます。
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例:2025年1月以降、ガソリンは158.8フォリント/ℓ、軽油は148.76フォリント/ℓ。
社会保険料
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健康・失業保険:所得の8.5%
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年金負担金:所得の10%
その他の主な税金
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保険料税:自動車保険や火災保険などに10~23%
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所有権移転税:不動産や自動車の取得時に課税。不動産は市場価値10億フォリントまでは4%、超過分は2%。
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自動車登録税:エンジン出力や環境負荷に応じて課税。電気自動車・水素燃料車は非課税。
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銀行ATMからの現金引き出し税:0.6%(月2回・15万フォリントまで非課税)。
まとめ
ハンガリーの税制は、法人税が非常に低い一方で、消費税(付加価値税)が高いのが特徴です。個人所得税は一律15%で、若年層や多子世帯への優遇措置があります。企業には法人税以外にも地方税や特別税が課される場合があり、税制全体は比較的複雑ですが、投資家にとっては魅力的な環境となっています。
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