**浮動株(ふどうかぶ)**とは、市場で自由に売買される株式のことです。特定の大株主(創業者・経営陣・親会社など)が長期保有している株式を除いた、一般の投資家が売買できる株式を指します。
浮動株の特徴
- 市場で取引される割合が高い
- 証券取引所で頻繁に売買されるため、流動性が高い。
- 企業の経営権には関与しにくい
- 企業の支配権を握るような大株主(例えば、持ち株比率が30%を超えるような株主)が持つ株は浮動株に含まれない。
- 株価に影響を与える要素
- 浮動株の割合が少ないと、少しの売買でも株価が変動しやすくなる。
- 逆に、浮動株が多いと株価は安定しやすい。
浮動株の計算方法
証券取引所によって計算方法は異なりますが、一般的には以下のような株を浮動株から除外します。
- 会社の役員や大株主が長期保有する株
- 持ち合い株(企業同士が相互に保有している株)
- 自己株式(企業が自社で保有する株)
- 安定株主(政府、銀行、親会社など)が持つ株
例えば、ある企業の発行済み株式が100万株あり、そのうち以下のような保有状況だったとします。
- 創業者一族:40万株
- 取引先企業:20万株
- 自社保有株:10万株
- 一般の投資家が持つ株:30万株
この場合、浮動株は 30万株(= 100万株 – 40万株 – 20万株 – 10万株) となります。
浮動株比率
企業全体の発行済み株式に対する浮動株の割合を 浮動株比率 と呼びます。
浮動株比率 = (浮動株数 ÷ 発行済株式数) × 100%
例の企業の場合、
(30万株 ÷ 100万株) × 100 = 30%
この浮動株比率が高いと、市場での流動性が高くなり、低いと株価が動きやすくなります。
浮動株の重要性
- 株価指数(TOPIXや日経平均など)の算出基準
- 浮動株が少ない企業は、指数への影響が大きくなりすぎるため、浮動株比率を考慮した指数算出が行われることがある。
- M&A(企業買収)の影響
- 浮動株が多い企業は、敵対的買収のリスクが高まりやすい。
- 株価の安定性
- 浮動株が少ない企業は、大口の売買で株価が大きく変動しやすい。
まとめ
- 浮動株は市場で自由に売買できる株式のこと
- 企業の大株主や安定株主が持つ株は浮動株に含まれない
- 浮動株比率が高いと株価の安定性が増し、流動性が高くなる
投資を考える際には、企業の浮動株比率を確認することで、株価の変動リスクを判断する材料になります。
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